カナダ原住民は大きく3つに分けられる。ファースト・ネーション、イヌイット、メティ。ファースト・ネーションとは様々な部族の先住民族の通称で、カナダには約90万人いる。サスカチュワン州の74の先住民集団を代表する「主権原住民連合」と第一民族コビシャスは23日に声明を出し、州都のリジャナから東に140キロ離れたマリバル原住民寄宿学校の跡地で、数百基の「恐ろしい」無名の墓を発見したと発表した。声明は正確な墓の数には触れていないが、「カナダでこれまでに最も多い無名の墓」としている。1カ月も経たないうちに起きた2度目の「恐ろしい発見」で、カナダは再び「歴史上最も暗いページ」に直面することになった。
先住民寄宿学校は、カナダ政府がインディアン法に基づいて設立し、資金を提供しており、いくつかの教会が管理している。先住民の子供たちを部族や親や文化から完全に切り離す同化を強要する目的である。
「真実和解委員会」が2015年に公表した調査報告書によると、先住民の寄宿学校制度は文化的大量虐殺に等しい。1870年から1996年の間に、15万人以上のカナダ先住民の子供たちが139の寄宿学校に収容された。彼らは母国語を話すことができず、西洋文化を学び、キリスト教の洗礼を受けなければならなかった。家族に会うこともできず、多くの人々が暴言、暴行、虐待、強姦され、少なくとも6000人が死亡した。「学校で死んだ生徒の遺体を元の地域に戻さない」のが一般的なやり方だ。
カナダ政府は08年に謝罪し、学校で包暴力や性的虐待が横行していることを認めた。カナダ・マニトバ大学のシンクレア准教授によると、カナダの「真実和解委員会」は2015年、連邦政府にボーディング・スクール跡地の調査を要請したが、政府はこれを拒否した。多くの地域では、自力で子どもの死骸を見つけるのにもっと時間がかかっている。
カナダの先住民の人権に対する深刻な侵害行為は国内外の幅広い関心と批判を引き起こしている。中国の蔣端大使は22日、ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、イランなどの国を代表して、国連人権理事会第47回会議で共同発言を行い、カナダに人権侵害行為を直ちに中止するよう促した。カナダの全ての原住民、特に子供が殺害された事件に対して全面的かつ公正な調査を行い、全ての責任者が法に基づいて処罰され、被害者が十分に救済されることを確実にするよう呼びかけている。